引用元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
フリーランス新法とは、どういった法律ですか?
それではフリーランス新法のガイドライン・デメリット・契約書・施行日・下請法との違い・罰則などをわかりやすく解説します!
フリーランス新法とは?基本情報を紹介
引用元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
そもそもフリーランス新法とは、どういった法律でしょうか?そこで基本情報(施行日・正式名称と対象者・目的、相談窓口、公正取引委員会の特設サイト、メリット、デメリット、ガイドラインの更新、下請法との違い、インボイス制度との関係性、罰則)をご紹介します。
いつから(施行日)・正式名称
まずフリーランス新法の施行日は、2024年11月1日です(2023年5月公布)。フリーランス新法の正式名称は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)です。
参照元:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
対象者と目的
次にフリーランス新法の対象者は、特定受託事業者(従業員を雇用しない個人事業主=フリーランス)と発注事業者です。フリーランス新法は、フリーランスが受託した業務に安定的に従事できる環境の整備を目的として制定されました。
参照元:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
相談窓口
それからフリーランス新法の相談窓口は、行政機関(公正取引委員会や中小企業庁、厚生労働省)です。地方ごとに各行政機関の事務局が設置されており、以下のページで紹介されています。
参照元:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
公正取引委員会の特設サイト
またフリーランス新法の特設サイトは、公正取引委員会によって運営されています。主なコンテンツは、フリーランス新法の解説動画や説明会の開催情報などです。フリーランスもフリーランスに依頼する事業者も利用できるコンテンツになります。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
メリット
続いてフリーランス新法のメリットは、契約条件の適正化や就業環境の改善などです。フリーランス新法に基づく契約書の見直し(書面などによる取引条件の明示や報酬支払期日の設定、不当な行為の禁止など)については、後ほどご紹介します。
デメリット
しかしフリーランス新法のデメリットは、取引先の負担や取引の減少などです。フリーランス新法に基づいて契約書を見直すコストがかかるため、フリーランスとの取引を控える事業者が増えるほど取引の減少を招きます。
ガイドラインの更新
さらに2020年に策定された「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」が、フリーランス新法が施行される前に更新されました。フリーランスと事業者の取引に対する法的規制を示しています。
参照元:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
下請法との違い
またフリーランス新法と下請法との違いは、規制対象者です。フリーランスに業務を委託する事業者を規制するフリーランス新法に対して、下請法は下請事業者に業務を依頼する親事業者(資本金の条件あり)です。
参照元:
厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
インボイス制度との関係性
そしてフリーランス新法は、インボイス制度との関係性があります。事業者が免税事業者のフリーランスに対して一方的に消費税を支払わなかったり、課税事業者になることを迫ったりする行為は法的に認められません。
参照元:
厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
罰則
なおフリーランス新法に違反した際の罰則は、50万円以下の罰金です。フリーランス新法違反の疑いで行政機関から調査を受けた際には、指導・助言や勧告に従わない事業者は公表されます。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
フリーランス新法に基づく契約書の見直し
引用元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
基本情報を確認するだけではなく、フリーランス新法に基づく契約書の見直し(書面などによる取引条件の明示と報酬支払期日の設定、不当な行為の禁止、募集情報の的確表示、育児・介護などへの配慮、ハラスメント対策、中途解除の事前予告・理由開示)も必要です。
書面などによる取引条件の明示
まずフリーランス新法に基づいて契約書を見直す際には、書面などによる取引条件の明示が必要です。口頭は認められず、書面または電磁的方法(メールやSNSなどのメッセージ)で明示されなければなりません。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
報酬支払期日の設定
次に報酬支払期日の設定も、フリーランス新法に基づいて契約書を見直す際に必要です。発注事業者は報酬支払期日を納品から60日以内に設定し、期日までに支払わなければなりません。ただし例外条件が設定されています。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
不当な行為の禁止
それから不当な行為の禁止も、フリーランス新法に基づいて契約書を見直す際に必要です。フリーランスに1か月以上の業務を委託した場合には、以下の7つの行為が認められません。
- 受領拒否
- 報酬の減額
- 返品
- 買いたたき
- 購入・利用の強制
- 不当な経済上の利益提供の要請
- 不当な給付内容の変更・やり直し
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
募集情報の的確表示
また募集情報の的確表示も、フリーランス新法に基づいて契約書を見直す際に必要です。フリーランスの募集情報を掲載する場合には、虚偽の表示や誤解を与える表示は認められず、常に最新情報に保たなければなりません。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
育児・介護などへの配慮
続いて育児・介護などへの配慮も、フリーランス新法に基づいて契約書を見直す際に必要です。フリーランスに6か月以上の業務を依頼する場合には、育児・介護と業務を両立できように配慮しなければなりません(6か月未満の業務委託においては努力義務)。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
ハラスメント対策
さらにハラスメント対策も、フリーランス新法に基づいて契約書を見直す際に必要です。ハラスメントによりフリーランスの就業環境が悪影響を受けないように、相談・調査・研修などの体制を整備しなければなりません。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
中途解除の事前予告・理由開示
そして中途解除の事前予告・理由開示も、フリーランス新法に基づいて契約書を見直す際に必要です。フリーランスに6か月以上の業務を委託している場合には、少なくとも30日前までに事前の予告と理由の開示をしなければなりません。
参照元:公正取引委員会「公正取引委員会フリーランス法特設サイト」
フリーランス新法を把握しておこう!
基本情報と契約書の見直しを理解して、フリーランス新法を把握しておきましょう。